2022年1月14日アニメ公開!
メイキング・オブ『印西あるある物語』
「あるある4コマ」アニメ化への道。
3年目のMAKE INZAI ORIGINALは、なんとアニメを製作中! 関係者たちが語ります。
その1
印西“あるある”4コマとは何だったのか?
対談 中村ゆうひ(マンガ家)×
池田テツヒロ(俳優・脚本家)
そして、MIOの最終年度となる2021年を飾るプロジェクトがただいま進行中。その名も『印西あるある物語』。マンガを原作とした本格派アニメ作品として制作の真っ最中だ。そこでMIOでは、12月の本作公開に向けて、関係者への連続インタビューを行なう。初回となる今回は、原作者の中村さんと、脚本が仕上がったばかりの池田テツヒロさんによる対談から。若手マンガ家と、ベテランの俳優であり脚本家のユニークな二人にとっての「印西」とは?

(左)中村ゆうひ、(右)池田テツヒロ。二人はこの日が初対面。中村さんのお面の謎は本文をご覧ください!
⬛︎「印西あるある」とは何だったのか?
―−「印西あるある四コマ」が映画化決定!とのことですが、中村さんはご自身の漫画がアニメ化されるのは初めてですか?
中村:もちろん、はじめてです! 不安もあったんですけど、脚本・絵コンテの仕上がりだけでも想像以上で、期待に胸が膨らんでいます。
池田:嬉しいです。中村先生の漫画の可愛らしい世界観を見て、絶対面白くなる! という確信がありました……というか中村さん、そのお面はなんですか? 取材のためにBIG HOPの観覧車に乗ったら、いつのまにか高所恐怖症になっていた!というエピソードからでしょうか。
中村:突っ込まれなかったらどうしようと思っていたので、そんな細かいところに気づいてくれてありがとうございます……。そうです、映画でもフィーチャーされていた、「りんなちゃん」が出てくる回ですね。

“あるある”4コマ その7「印西に集まってますか?」より
池田:大人になってから久しぶりにやって、気づくことってありますよね(笑)。
中村:そうなんです。まさか観覧車があんなに怖いとは……。しかしりんなちゃん、結構起用されてましたね! 意外でした。
池田:僕も気づいたら走り出していた感じで(笑)。でも、漫画をそのまんま書いたらあの脚本になったんですよ。“地方自治体のプロモーション”に宇宙人がでてくる時点で、なかなかぶっ飛んだ設定ですよね〜。しかし、「宇宙人」を登場させたのはなんでだったんですか?
中村:どうだったか……。そうですね、私の出身地でもあるんですけど、印西ってぱっと見、だだっ広いだけの何もない場所ですよね。ただ、入り込んでいくと細かい面白みがある。そのよさを描くためには、外からの視点を入れるのがいいのかなと。で、いっそ一番外の「宇宙人」を登場させちゃいました。

“あるある”4コマ その1「印西はどこですか?」より
池田:なるほど、意外とストレート(笑)。面白いなあ。たしかに、この映画もある種印西の「外」から印西を楽しむものなんですけど、「あるある」って、外からの視点がないと成立しにくいのかも。
中村:そうかもしれませんね。市民の方々から色々と「ネタ」を寄せてもらったんですけど、私も印西の中にいた人間なので、客観視してかたちにするにはなかなか時間がかかりました。
―− このプロジェクトの構想として「印西の個性って目立たないから、勝手に面白いもの作っちゃおう」っていうのがベースにあったから、とりあえず走り出して。いい感じにまとまったのは、中村さんのお力です(笑)。
中村:取材も何度かいきましたね。作家としてあらためて印西を見るのは、新鮮な経験でした。

⬛︎印西って、おおらかなの?
−− 池田さんも、脚本制作にあたって何度も印西を訪れたと聞きました。マンガだけでなく実際に現場を見られて、どのような印象でしたか?
池田:率直に言うと、個性的で素敵です!
中村:そうですか? なんとかマンガにはなりましたけど、ぱっと見、何もないんじゃないですかね? 特にニュータウンなんかは、結構フラットな感じで……。
池田:違うんですよ。そこにも印西の魅力があるんです。失礼かもしれませんが(笑)、なかなか変で面白いですよ。ニュータウンも、一区画ごとにハワイアンだったり、イギリスの田舎風だったり……「あ、国が変わった」と感じるエリアがあったり。
中村:たしかに……(笑)。新鮮なご意見です。それに、私が幼い頃にあのあたりは開発されたんですが、新しい住宅地を沢山作って、移住の方もおおらかに受け入れて。余白がいっぱいあるところではありますね。
池田:そうです。「余白」が大事なキーワードだと思いますね。余白があるから受け入れられるのかも。「宇宙人」もそうだけど、印西市は中村先生の漫画やMAKE INZAI ORIGINLのダンス「INZAI BALANCE」とか、そういうものを受け入れちゃう土壌がありますよね。

印西市PR動画「INZAI BALANCE」より
中村:うーん。強い個性があんまりないから、面白いものを積極的に取り入れられるというところもあるでしょうね(笑)。
池田:しかしまあ、クレームとか来ないんですか?「印度じゃないよ印西市」だってそうですし。
−− 幸い、今のところは聞かないですね……。このメディアもたまに“大丈夫なのか”という記事もありますけど……。
池田:「印旛沼、臭い」というネタも怒られなかったし……(笑)。でも作り手としては、突っ込む人が少ないとやりやすいですよ。印象として、若い家族が多くて、活気ある街でしたが、「自分たちを笑える」ってその地域の強さなんですよね。

中村:なるほど、おおらかな市民性……。それも「あるある」かも。
池田:中村先生は先ほど「何もない」と言いましたけど、逆に「何でもある」と思いますよ。自然も都会もでかい商業施設もあって、心の広い子がすくすくと育ちそうだなあ。中村先生は、印西で育ってみてどうですか?
中村:ん〜。わかんないですよ(笑)。でもたしかに、自由にいろんな方面に伸びていけそうな感じはしますね。
⬛︎「あるある物語」はお爺ちゃんに注目!

―― 今日はお二人、色々とありがとうございます。最後に、映画化にあたってみてくださる方へメッセージをお願いします!
中村:自分の四コマがかの「イケテツさん」脚本で映画化なんて、光栄です! 楽しいものになっていく気しかしません。制作はこれからが大変そうですが、完成を心待ちにしています。
池田:脚本化する際に、印西を誇張して描いてないんです。だから実際に印西に行くと、映画を思い返しつつも、やっぱり実際にあって「何これ!」ってなると思う(笑)。期待を裏切らない地域です。だからぜひ、実際に行ってほしいな。移住したくなっちゃうかも。
−− 特に見てほしい、オススメのシーンはありますか?
池田:そうですね、コアなギャグも入っているので注目してもらいたいですね。
中村:ああ、あの映画ネタ。何度も見ないと気づかないかもしれませんね(笑)。
池田:何度も見てほしい! 分かりやすいところだと、巨大な宇宙船くらいでかいホームセンターや、住宅街の街並みとか……印西らしさがしっかり描けているといいな。個人的には、ある「お爺ちゃん」が特におすすめです。実際に何人かのご老人に会えたのですが、皆さん何だかかっこよくて印象的で。そんな実感が伝わるとうれしいです。

“あるある”4コマ その5「印西弁はなに言ってますか?」より
池田:しかしこの機会に、「あるある4コマ」の続編あったらいいですね。描かないんですか?
中村:え、一話くらいならいいかもしれませんね(笑)。池田さん登場します? 印西に脚本家があらわれた!とか言って。
池田:ぜひ出してください!(笑)
PROFILE
中村ゆうひ
印西市出身の漫画家・イラストレーター。著作に『週刊少年ガール』(講談社)全3巻など。
twitter @nxxxmura
池田テツヒロ
1970年東京都出身の俳優、演出家、脚本家。「表現・さわやか」主宰。ホリプロ所属。元々は舞台を中心に活動していたが、『TRICK』や『医龍』といったドラマ出演で活動の幅を広げ、現在も様々なフィールドで活躍中。直近は、日本テレビ系10月土曜ドラマ『二月の勝者』に出演。
池田テツヒロのノート https://note.com/tetsuhiroikeda/ Instagram @ikedatetsuhiro
印西市のアニメ『印西あるある物語』絶賛公開中です!
アニメ「印西あるある物語」メイキングインタビューをお楽しみいただけます!
千葉県北西部に位置する印西市は、千葉ニュータウンをはじめとする住環境と豊かな自然に恵まれ、「住みよさランキング」7年連続の全国1位も記録しています。しかし、そんな“住みよさ”の一方で、個性があまり目立たない……という声もちらほら。
「MAKE INZAI ORIGINAL」は、そんな印西に市民の手で“印西らしさ”をアピールするモノ・コトを作り出し、印西の新しい魅力を発信していくプロジェクトです。
新しい「印西のオリジナル」をアピールするイベントやワークショップを、継続的に行なっていきます!