PROJECTS 印西市の新しいオリジナル

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PROJECT. 06

印西ポップカルチャーをつくる人物をインタビュー!


インザイのジンザイ。

印西のオリジナルをつくるのは、街中でも目立つ人に違いない! 編集部が独断で選んだ“印西ポップカルチャー”を支える人物をリレー形式でインタビューします。

宮田弘樹さん/竹中技術研究所 主席研究員

研究所のボス!?「調の森」の主席研究員の破天荒な歩み。
– 西田さん。環境にたいする真摯な姿勢に感じるものがありました。こうした方が印西に増えると、きっといつか「印西妄想落語」の世界が実現するかもしれません。さて今回は二本立て。つづいては、研究所を長年支える重鎮・宮田さんです。西田さんのお部屋とはうってかわって、何だか研究所って感じです!

宮田:たまたまです(笑)。色々な部屋がありまして。はじめまして、宮田です。

– よろしくお願いします。宮田さんは、何だかすごい人だと聞いています……。アンケートを拝見すると、そもそもオーストラリアで蟻を研究していたとか。

宮田:そうですね……簡単に話しますと、元々は大学で生物の行動を研究していたんです。生物は繁殖して世代を残していくために、巧みな工夫をして生きていく。ビヘイビア(Behavior)といいますが、生物の生存戦略を研究したいと思って研究を続けていました。

– それで縁あって、オーストラリアへ。

宮田:研究をするために、山に3年ぐらいこもったり、自転車でオーストラリアを縦断したりしましたよ(笑)。調査がひと段落して、日本に戻って論文を書いていると、竹中工務店から、研究者として入らないか? というお誘いをもらった。面白そうだなと思って、ここに所属したのです。

オーストラリアを自転車で旅行中の写真

– すでに激しい歩みです…。

宮田:それで、主に取り組んでいるのが、建物に虫が入ってこない建築を作るための研究。いわゆる“殺虫”というより、建物自体の作り方で虫が入ってこないようにする“殺さない防虫”の研究ですね。

– 撃退するのでなくて、人と虫が棲み分けられる建物を作るという感じですか?

宮田:虫って、照明に集まってきちゃいますよね。でも照明の近くにエサがあるわけでも、メスがいるわけでもない。虫にとって、何のメリットもないんです。光に集まるのは、どうもナビゲーションのミスなんですよ。それを分析して、来ないようにしたら、共存になりますよね。彼らが来たくないものを我々が呼んでおいて殺虫剤で殺すのは、どうも道理にあってない気がしますよね。虫の立場からしたら。


– なるほど……人間本意でばかりいても、仕方ないですよね。それは、西田さんがどぶろくをつくった「調の森」につながるんでしょうか?

宮田:「SDGs」が声高に言われていますが、生態系を守っていくのと同時に、経済的にもプラスになる仕組みを作っていくことが求められてますよね。それが社会にも還元されるし、仕事になっていくから。有り体に言うと「調の森」の目標もそこにあるんです。

– どぶろくを作るだけではないんですね(笑)。

宮田:はい(笑)。そもそも印西って、自然が豊かです。それをいかに活かすか考えて生まれた実験の場である「調の森」にも、珍しい虫がたくさんいるんです。たとえばトンボやカブトムシ。トンボって、虫の中でも肉食の方で。それは生態ピラミッドの頂点なので、トンボを調べれば、その生態系の仕組みがよくわかったりします。

– なるほど……、はい。エリアごとに色々な役割がある、きちんとした研究施設なんですね。その流れで、印西の地域の環境や生態を保全する活動もされている。

宮田:そうですね、市の周辺で有機農園をやっている方にも協力いただいています。でももっと、印西の自然を観光できる機会が増えたら面白いな。

– 話が広がっていきます。印西の土地のように。

宮田:北総線に乗っていると、都内から網持った子どもが乗って来るんです。印西は都心の人が虫を取りに来る場所でもある。そんな貴重な場所を、もっとうまく使えたらいいなと。自然環境の特徴を活かして、施設をうまく作りこんでいくとか。ほったらかさずに、市内外の人みんながこの自然環境に親しみ、大切にしていくことは、結果的に環境保全につながると思うんです。
愛ではないよ、私の性だ。
「一生高二」が見る夢は。
– 虫と人類との共存というのでしょうか。何だか、宮田さんの活動をみていると、生物への愛情を感じます。

宮田:愛というか……まあ、一概には言えませんが、ある種の日本人の性質じゃないですか? 日本人は欧米に比べると、虫に親しみを持っている人が多い。虫マニアも、日本人にものすごく多い。そこから話はそれていくんですが、仏教って、生態系との親和性がある宗教。「愛」の発祥であるキリスト教って、とても社会的なもので。だからあえていうと、日本人って虫に近い人種なんじゃないかなと思うんです。

– 徐々にそれていきますが、興味深いです。

宮田:たとえば、ある音響学者さんの話。海外で、学会の帰りに欧米人と道をあるいていたら虫の声がして。それを日本人が「虫が鳴いてるね」って言ったら、欧米人は全然気にしてないって話がある。研究を重ねていくと、日本人はどうも虫の音を言語を認識する左脳で聞いているということが分かった。欧米人は言語として聞いてない。日本人は、言葉や楽器のようにとらえているという。

オーストラリアの調査地で土地を所有する有袋類研究者の
ウィンター博士(中央)と撮った写真(左端が宮田さん)

– なるほど…。たしかにアニミズムというのか、細かいというか……。そんな奥行きをもって研究している方がいるのは、何だか心強いです。

宮田:まあ、仕事につながるかは何とも言えませんけど(笑)、まあ、私見ですが私みたいな行動生態学の研究者は、本来は実用性につながるか分からないことを考えて、なかなか成果が実用化しないのが大半ですから、色々な方向から社会に貢献していくのが私の使命かなと。

– フトコロが深い会社です…! いやもちろん、すごい仕事なさってるんですが。でも、そんな研究者がのびのび仕事していると、社会はより豊かになりますよ。

宮田:そうですねぇ…、建設会社がこんな研究所を持っているというのは、日本だけですね。変わった人間を遊ばせていこうというのは(笑)。

– でも、その中で印西にプラスになることを色々考えてもいますよね。

宮田:まぁ、印西って豊かなわけですから、ボルダリングをやってアウトドアショップのモールをつくって、盛り上げてもいいし。自転車のカルチャーを持ってきてもいいし、可能性は広いと思うんですよね。そんなことを、ここで暮らして、過ごすうちに色々と思っています。

– そうですよね。ここまで触れられなかったんですが、自転車もそうだし、印西の映画撮影スポットだったり、旅行のヤバい体験談など…ここでは書ききれないくらいエピソード満載なんですが、宮田さんは、やっぱり全身が研究者という印象です……。

オーストラリア北東部で蟻を採取するため地面に穴を掘っているところ

宮田:面白いことを面白いままにやっているだけで、面白くないことは全然知らないんですよ(笑)。さいきん、とある占いの本を読んでいたら、僕の星は「一生高二」だと書いてあった。つまり、高校生みたいに責任感なく行き当たりばったり、好きなことを掘っていく。「あ、その通り!」と腑に落ちたんです。

– (笑)高二だとしても、スーパー高校生。

宮田:まあ、勿論私は一介の研究者ですが、ただ目先の研究を重ねるだけでも面白くない。だから生活の中で、面白いものを常に探している。ちなみに私は自宅のある牧の原の自治会の立ち上げにも参加しましたが、視野を広くもって社会にコミットしていくと、研究が別のフィールドに繋がっていって、面白いですね。

– この企画は個性派の方々をざっくばらんに、真剣に!紹介しているわけですが、つまり印西の「面白い」を探してるわけです。宮田さんのあり方も、私たちが目指す一つの目標なのかもしれません。今日は大事なお時間を、ありがとうございました!!

PROFILE 

宮田弘樹 
博士(地球環境科学)、主席研究員、竹中工務店 技術研究所 環境・社会研究部 地球環境グループ長。日本で唯一の軍隊蟻の研究者でもある。オーストラリアの旅行記は『パワーエコロジー』(海游舎)という本に詳しい。

LINK
・竹中技術研究所
・調の森 SHI-RA-BE®︎

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ABOUT メイク インザイ オリジナルについて
印西市民の手で“印西らしさ”を一緒につくるプロジェクト「MAKE INZAI ORIGINAL」

千葉県北西部に位置する印西市は、千葉ニュータウンをはじめとする住環境と豊かな自然に恵まれ、「住みよさランキング」7年連続の全国1位も記録しています。しかし、そんな“住みよさ”の一方で、個性があまり目立たない……という声もちらほら。
「MAKE INZAI ORIGINAL」は、そんな印西に市民の手で“印西らしさ”をアピールするモノ・コトを作り出し、印西の新しい魅力を発信していくプロジェクトです。
新しい「印西のオリジナル」をアピールするイベントやワークショップを、継続的に行なっていきます!

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