PROJECTS 印西市の新しいオリジナル

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PROJECT. 06

印西ポップカルチャーをつくる人物をインタビュー!


インザイのジンザイ。

印西のオリジナルをつくるのは、街中でも目立つ人に違いない! 編集部が独断で選んだ“印西ポップカルチャー”を支える人物をリレー形式でインタビューします。

伊賀﨑俊さん(39)/一般社団法人レプロ東京・代表理事兼監督

多くの友達ができたのはサッカーのおかげ
―今回は、サッカーの東京都社会人リーグに所属する、障害者と健常者の融合チーム「レプロ東京」の代表理事兼監督を務めている伊賀﨑俊さんにお話をうかがいます!本日はよろしくお願いしま す。

伊賀﨑:こんにちは、伊賀﨑です。よろしくお願いします!

―伊賀﨑さんはお生まれは京都なんですね。

伊賀﨑:2歳のときに父の転勤で千葉県に引っ越してきました。現在は東京都北区在住ですが、京都生まれの印西育ちです。

―伊賀﨑さんは会社にお勤めになりながら、サッカーチームの監督、さらには選手としてプレーされているとのこと。過去にはデフリンピック(聴覚障害者のためのオリンピック。deaf= 「聞こえない人、聞こえにくい人」の意)のサッカー日本代表を経験されています。

伊賀﨑:2009年のデフリンピックでのサッカー日本代表のあと、2015年にはデフフットサルのワールドカップにも出場しました。

―サッカーをはじめたきっかけは何だったのでしょうか?

伊賀﨑:兄の影響ですね。兄から教えてもらってメキメキと上達しました(笑)。勝つために意見をぶつけ合ったり、励まし合ったり、サッカーを通じて多くの友達を作ることができました。

―スポーツを通じてのコミュニケーションは、普通のコミュニケーションより濃いものがありそうですね……!

伊賀﨑:コミュニケーションについては、私は耳が聞こえませんが、相手の口の動きを見る読唇術(口の動きと前後の会話から内容を類推する。読話)で言っていることを「聞いて」います。難しいときは筆談なども使いますが、面と向かって話すと伝わるし伝えられると感じます。

―こうして対面してお話をしていると、伊賀﨑さんは聴覚に頼られていないのにコミュニケーションに壁のようなものは感じません。そういう感性を培ってきたのは印西の影響が大きかったのでしょうか?

伊賀﨑:私が恵まれているのかもしれませんが、印西は人間味溢れる人が多くて、人とのつながりを大切にしていると感じます。今でも小中学校の友達と連絡を取るほどのネットワークがあります。

―それには伊賀﨑さん自身のバイタリティも大きいような気がしますね! 住環境はいかがでしょうか?

伊賀﨑:環境についても急速に発展していて、生活面、医療面も整備されてとても便利な街になっていますよね。でも、自然豊かなところも大切にされていて、都会、田舎の両方を感じられます。印西という素晴らしい環境のおかげで心身共に成長できたというのは、私にとって影響が大きかったと思っています。

―なるほど、そんな印西の中で、思い出の場所はどこでしょうか?

伊賀﨑:浦幡新田公園をサッカーや筋トレによく使っていたので、好きな場所の一つですね。 松山下公園も思い出の場所です。子供の頃、普段はサッカーを学校のグラウンド(土)でやっていたので、松山下公園の天然芝でプレーするのはいつも楽しみでした。それから、東京電機大学 (千葉ニュータウンキャンパス)の裏側に急な坂道があって、インターバルトレーニングに使っていました。

―坂道でのインターバルトレーニング! 聞いただけでキツそうですね……(汗)。

伊賀﨑:苦しかったけど、自分を極限まで追い込むようなトレーニングの積み重ねが、デフリンピック日本代表に選出され、国際大会に出ることにつながったように思います。
多くの人に支えられてきたから、恩返しがしたい
―いや〜、ストイックですね……。私も見習わせていただきたいです! お休みの日や時間はなにをされてますか?

伊賀﨑:うーん、読書に当てることが多いですね。哲学、経営、ビジネス、コーチング等、幅広く読むようにしています。

―(な、なんてストイックなんだ……!)伊賀﨑さんからは並々ならぬエネルギーを感じますね! 20代の頃に自転車で千葉県から仙台までを2日間で走破するなど、精力的なエピソードが多すぎます! エネルギーの源はどこにあるのでしょうか?

伊賀﨑:私はこれまで色んな人に助けられて支えられて生きてきました。でも、いつまでも助けられてばかりの人生で良いんだろうかと思い、社会人になってからは恩返しと社会貢献をしていこうと強く思うようになったんですよね。恩返ししたい、社会貢献することで人の役に立ちたい、それが私を突き動かすエネルギーの源だと思います。

―社会人になられてから、とおっしゃいましたが、大学生のときにもホームから転落された男性を救助されて、新聞の記事にも取り上げられていますよね。最近では中学校などで耳栓をして耳に頼らずサッカーを体験するデフサッカー疑似体験会を開くなど社会貢献活動をされていますね?

江戸川臨海球技場で行われたデフサッカー疑似体験会

伊賀﨑:生まれつき音のある世界に生きている人にとって、音のない世界を経験することはないことだと思いますので、独自の教育ができていると思います。聞こえる人は発音がきれいなので、「伝えるのは簡単、だけど伝わるのは難しい」聞こえない人は発音がきれいではないので、 「伝えるのは難しい、だけど伝わるのは簡単」。音のない世界を体験することで両方のデメリットがメリットに変わって「伝えるのは簡単、伝わるのも簡単」になると思います。

―画期的だし、意義がある活動だと思いました!

伊賀﨑:私たち聞こえない人ならではの強み、そして伝えることがたくさんあるのではないかと思うんですよね。人に伝えたい想いは聞こえる人よりも強い。だからこそ、人の心にまで伝わるのだと思います。

―レプロ東京として、そういった体験会など社会貢献もされていますが、サッカーチームとしての目標はなんでしょうか?

伊賀﨑:2020年に都リーグ4部で優勝し3部昇格しました。今年は都リーグ3部での優勝、2部昇格を目標に掲げています。それと同時に社会貢献の面も、継続して学校機関を通じて子供たちに音のない世界から気づきを得られる教育をしていきたいです。

2020年11月に東京都社会人サッカーリーグ4部優勝を果たし、3部昇格決定した際の集合写真

―最後に印西という地域が今後どうなったら面白いと思いますか?

伊賀﨑:今後、取り入れていただきたいのは、大きく2つ。1つは駅近に公共施設として総合スポーツセンターができるといいなと思います。印西は図書館が住宅街の周辺の至るところにあって、「知識」の面で充実した環境です。でも「運動」の面は充実しているとは言えない。

―なるほど〜!! もう1つは何でしょうか?

伊賀﨑:路面電車など、子供から老人まで安心して利用できるインフラの整備です。印西は大型スーパー等が充実していますが、車がないと不便な立地だったりします。若者の車離れや免許を返納された老人、それから障害を持った方などにとっても気軽に利用できる交通インフラができたら、印西という地域がもっと良くなり、面白くなるのではないかと思います!

―社会貢献活動もそうですが、地域のことなどまで考えていらっしゃって視野が広いと言いますか、背筋が伸びる思いです! 大切にされている言葉などはあれば教えてください!

伊賀﨑:後藤新平さんの言葉で、「金を残して死ぬのは下だ。事業を残して死ぬのは中だ。人を残して死ぬのが上だ。」という言葉があります。自分がレプロ東京の代表としてチームをマネジメントしていると、この言葉が本当に深い言葉だなと感じます。マネジメントしている立場から去る際、次を担う人が少しでも長くマネジメントできるようにするにはこの言葉を実践すれば間違いないと思っています。全国初の障害者と健常者融合の競技志向フットボールクラブだからこそ、その価値あるものを末長く続けてほしい。

PROFILE

伊賀﨑俊(SHUN IGASAKI)
京都府生まれ、印西市育ち。デフリンピック・サッカー日本代表、デフフットサル・ワールドカップ日本代表(副主将)などを経て2016年レプロ東京を設立、現在、代表理事兼監督兼選手を務める。大学時代の北総開発鉄道での人命救助をはじめ、人のために行動することを大切にしている。著書に海外一人旅を元に書かれた『Tuvalu―世界で一番最初に消えてしまう島国』(2010年/東京 図書出版会・刊)。

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ABOUT メイク インザイ オリジナルについて
印西市民の手で“印西らしさ”を一緒につくるプロジェクト「MAKE INZAI ORIGINAL」

千葉県北西部に位置する印西市は、千葉ニュータウンをはじめとする住環境と豊かな自然に恵まれ、「住みよさランキング」7年連続の全国1位も記録しています。しかし、そんな“住みよさ”の一方で、個性があまり目立たない……という声もちらほら。
「MAKE INZAI ORIGINAL」は、そんな印西に市民の手で“印西らしさ”をアピールするモノ・コトを作り出し、印西の新しい魅力を発信していくプロジェクトです。
新しい「印西のオリジナル」をアピールするイベントやワークショップを、継続的に行なっていきます!

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